スタッフ★ブログ

[スタッフブログ]「落としどころ」を巡るグリーフワークの旅


対象喪失とは、かけがえのないものを失うことであり、そのことがいかに人の心に衝撃を与えるのか、そしてその後の回復は単純なものではないことは、明らかなことでしょう。

東日本大震災に際しては、多くの生命が失われました。
未だ多くの人にとり、癒されないままに、心の傷として残っているものも少なくないことでしょう。
まして、自らの子供の死を体験する、ということは耐え難いものでしょう。

喪失に際して、人は、グリーフという悲嘆の作業に入っていきます。
人によって表現は様々ですが、「乗り越える」のでもなく、「忘れる」のでもなく、「気にならなくなる」のでもないが、その出来事を自分の心の中においておけるようにしようと、人は取り組んでいます。
単純に、「何かがあればよい」といったものではないことは、誰もが想像することでしょう。

最近、大川小の裁判の話も耳にします。
これも、一つの感情の向かうところなのでしょう。
変わらない現実はある、そのことをどのように感じていけばよいのか、悩み苦しい過程、まさにグリーフの過程の真っ最中でしょう。

当アカデミーの講師たちは、現役の心理カウンセラーであり、様々な人の心の声を聴く取り組みを続けつつ、少しでもよりよい支援ができるように、学び続けてもおります。

多くの人たちが、既に様々なところで実践し、学び続けています。
当アカデミーでも、今までもそしてこれからも、多くの方々と実践と学びの輪を広げていきたいと考えています。


玉井筆




[スタッフブログ]アメリカ大統領選を終えて 分断を超えて融和へ


今回のアメリカ大統領選の、トランプ氏は勝利演説の中で、国の融和を訴えていました。
見事に分断した裂け目があちらこちらにあり、それをもう一度以前と同じに戻るのではなく、お互いの理解が深まり、より未来に繋がるようにつなげなおしていく、という作業が進むことを期待しています。

この、分断と融和というテーマを見ていて、人の心の中のことと同じだな、と感じていました。

人の心の中でも、「これがいい」「あれもいい」「これがいい」「でも、それでいいか不安」「あれはいや」「これもいや」といった心の様々な部分の想いが、それぞれ別々に訴えてくるものなのです。そして、私たちは困惑して立ち尽くします。それらの思いを深く理解し、その仲を取り持つスキルは、カウンセリングの実践と重なる部分が多いのです。

まず、どちらの意見にも、「そうだね」と理解を示すこと。そして、それぞれの意見が大切にしていることを、共有すること。その中で、共通点も探しうるのか、融和点を模索すること。

カウンセリングの学びを通して、自分の心の仲、人の心の中、自分と人との心の間、うまくつながるお手伝いスキルを高めていきましょう。

今回の大統領選の後に、経済がいち早く反応しましたが、不安にも囚われてしまいがちです。
その内容については、「こころアカデミー」を主宰している東京メンタルヘルス・カウンセリングセンターのHPにて書かせてもらっています。そちらも、ご覧いただければ幸いです。


玉井筆



[スタッフブログ]受容する、ということ


「小林麻央さんのブログについて、コメントして欲しい」
こころアカデミーの資格取得プログラムの受講生が、言ってくれた一言です。

前から、噂にはなっていて、よく耳にするブログですね。

これは、夫であり歌舞伎役者の市川海老蔵や小林麻央さんら自身が著名であったから、更には著名人夫婦だから、というだけではないですね。

二つの言葉が頭をよぎりました。

“四耐”と“生老病死”

人は、苦しい状況で、耐える力がどの程度なのか、発揮します。
“四耐”という言葉があります。
『冷に耐え、苦に耐え、煩に耐え、閑(ひま)に耐える』
陽明学者の安岡正篤氏が紹介してくれています。

苦しさも様々で、どのような苦しみに耐えられるのかも、人それぞれです。
冷遇されること、人が自分のことを見てくれないことに耐えられる人。
思い通りにならない苦痛に耐えられる人。
わずらわしいことに取り組むことに耐えられる人。
干されること、閑職におわれること、左遷されること、暇に耐えられる人。

そして、思い通りにならない苦痛が、“生老病死”という仏教の用語です。
生まれて生きること、老いること、病むこと、死ぬこと、という人生における免れられない四つの苦悩のことを表した言葉です。

この苦痛に耐えている。
そして、苦痛の中でも、日々の生活を大切に過ごすことができる。

これは、カウンセリングのとても深い“受容”と一致すると思います。
何とかしたいことがある時、何とかなっていないと心が暴れだす。
それを受容しながら、何とかなっていないことも受容できるようになっていく。

簡単に書けるが、本当に簡単ではないことではないことを、気付かせてくれるのが、この小林麻央さんのブログなのかな、と感じました。

小林麻央さんのブログから感じた、もう一つの側面を、こころアカデミーを主催する「東京メンタルヘルス・カウンセリングセンター」でも配信しています。


玉井筆

[スタッフブログ]新年のご挨拶


新年 あけましておめでとうございます


今年も、心や身体の声を聴く学びを、皆さんと重ねていきたいと思います。
こころアカデミーでは、本日1月6日より通常通りの業務を開始しました。

日本人は、年末詣、初詣、などと、区切りをつけることを好みます。
人は、時間を意識する唯一の動物であり、結果として過去に、そして未来にと悩みを引きずりがちなので、それへの工夫なのでしょう。
それはそれ、これはこれ、と一緒くたにしないように区別しながら、いろんなことがあるな、と一歩一歩前を向けるように頑張っていきたいと思います。

本年も、どうぞよろしくお願いいたします。


玉井筆